長生きがしたいなら、目の前のワニに勤勉を求めることだけはやめろ。
首のないワニ取りの男の語録より
クロコダイル探偵
「死んでなを歌う、ねじまきのサカナ」
人類にどれほどの種類がいるかは知らない
が、俺の事務所に来るやつぁ、おおよそ3種
類だ。
すなわち、
黙る奴、
逃げる奴、
そして、多少の個人差はあるにせよ、必ず
ワニという単語をおりまぜた、極めて散文的
な叫び声を上げる奴。
ちなみに、後の例になるほど割合は多い。
おかげで、俺のイヤになるほど働きもんの
脳ミソには、ワニをテーマにした散文コンク
ールが開けるくらいにはこれらのストックが
ある。
もっとも、入選できそうなもんは一つとし
て存在してはいないがな。
そう、つまり俺の仕事の口開けは、大抵の
場合、これらの面白くもない叫び声で始まる。
おそらくは、今、事務所の入り口をゴンゴ
ン叩いてる輩もやってくれるんだろう。
極めて危ないビジネスの極めてつまらない
口開けを。